今月のワイン 2016年10月「ワインと郷土料理でフランス一周(2)ボルドー地方」

(1) Lateyron Crémant de Bordeaux Brut N.V.
●生産地 ボルドー地方アントル・ドゥ・メール地区
●格付け  AOC  Crémant de Bordeaux
●生産者 Lateyron
●品種 セミヨン85%カベルネ・フラン8%
カベルネ・ソーヴィニヨン7%

(2) Castelnau de Suduiraut 2009
●生産地 ボルドー地方ソーテルヌ地区
●格付け  AOC  Sauternes
●生産者 Château Suduiraut
●品種 セミヨン90% ソーヴィニョン・ブラン10%

(3) Ch.Graville-Lacoste Blanc 2015
●生産地 ボルドー地方ソーテルヌ地区バルザック村
●格付け  AOC  Graves
●生産者 Château Roumieu Lacoste
●品種 セミヨン70% ソーヴォニョン・ブラ25%
ミュスカデル5%

(4) Château Franc Petit Figeac 2012
●生産地 ボルドー地方サンテミリオン村
●格付け  AOC  Saint-Ėmilion
●生産者 Château Franc Petit Figeac
●品種 メルロ90% カベルネ・フラン10%

(5)Château Beaumont 2013
●生産地 ボルドー地方オー・メドック地区
●格付  AOC Haut-Medoc  Cru Bourgeois
●生産者 Château Beaumont
●品種  カベルネ・ソーヴィニョン54%
メルロ42% プティ・ベルドー 4%

(6) Les Fief de Lagrange 2008
●生産地 オー・メドック地区サン・ジュリアン村
●格付け  AOC Saint Julien
●生産者  Château Lagrange
●品種 カベルネ・ソーヴィニヨン 60%、
メルロ 31%、プティ・ヴェルド 9%

今月の一押し

(2) Castelnau de Suduiraut 2009
●生産地 ボルドー地方ソーテルヌ地区
●格付け  AOC  Sauternes
●生産者 Château Suduiraut
●品種 セミヨン90% ソーヴィニョン・ブラン10%
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●コメント
ソーテルヌ第1級CHスデュイローのセカンド。巧妙な調和が生みだす独自の世界観が楽しめます。ゴージャスなまでにリッチで、ふくよかな、凝縮感のあるワインと言えます。濃くしっかりとした黄金色。グラスを傾けると、オレンジ、モモ、洋梨、リンゴなどの果実の香りが押し寄せてきます。また、強烈な、スパイシーなノーズはほとんど焦げた桃と混ざり合ったブラウンバター、アーモンドペースト、カラメルを思わせます。味わいは、極めてフルボディで、厚みがあり、とろけるような極甘で、蜂蜜やリンゴ、レモンのニュアンスがあふれています。
▼ミレジム2009へのコメント  「この2009年は、間違いなくこのシャトー創立以来最良のワインと言えます。マルメロ、蜂蜜、桃そして最上級のバターの香りが心をつかんで離しません。空気に交じると、黄色い花の香りが経ってきて得も言われぬニュアンスを感じます。味わいは非常に端正な酸味と押し寄せるほどの、尚且つ上品な甘味が完全なるバランスを取っていると言えるでしょう。フィニッシュは、このたくさんの素晴らしい酸味に裏打ちされた貴腐ワイン独特の新鮮な蜂蜜、マルロメ、オレンジなどであふれます。このワインは、抵抗できないほどの完全さと平静さの完璧なニュアンスを持っていると言えます。」(Neal Martin “Wine Advocate” Feb 2012)
●シャトー・スデュイロー Château Suduiraut
16世紀まで、この土地はアラール家~d’Allardが所有しており「ドメーヌ・ダラール」と呼ばれていました。 1580年、ニコラ・ダラール嬢~Nicole d’Allardが、レオナール・ド・スデュイロー~Leonard de Suduirautと結婚し、持参金としてスデュイローにもたらされます。現在の館は、レオナールの孫であるブレーゼ・ド・スデュイロー~Blaise de Suduirautによって1670年頃に建てられたようです。
その後、シャトーは彼の娘であったマリー・アンヌ~Marie Anneが引き継ぎ、1747年に彼女の甥のジョセフ・デュロワ~Joseph du Roy、彼の死後はジャン・デュロワ~Jean du Royが相続しますが、同人に相続人がいなかったため1780年に執事であったルイ・ギヨーム・デュロワ~Louis Guillaume du Roy が棚ボタで取得します。この執事はやり手であったようで、シャトーに隣接するカステルノー~Castelnauの畑を取得し、現在のセカンド、カステルノー・ド・スデュイロー(本日のワイン)の由来ともなっています。 1940年にレオポルド・フランソワ・フォンケルニー~Leopold Francois Fonquernieに売却されます。レオポルドの死亡により彼の娘から1992年、アクサ保険の子会社であるアクサ・ミレジムが購入します。
ソーテルヌ地区で最も知名度の高いシャトー・ディケム(ただ1つの特級シャトー)に次いで、高い評価を受けているのがシャトー・スデュイローです。1992年、アクサ・グループに買収されてから、より一層、潜在能力が引き出され品質を上げてきています。その畑はディケムと隣接しており、広大で美しいシャトーには、ベルサイユ宮殿の庭園と同じ設計者の手によるフランス庭園との事。200ヘクタールの広大な面積のうち90ヘクタールを葡萄畑として所有しています。そこでは平均樹齢25年を超えるセミヨン(90%)、ソーヴィニヨン・ブラン(10%)が栽培されており、周りは森林で囲まれている為、貴腐の発生に理想的な環境ではありますが必ずしも貴腐に覆われるとは限らないので生産量は非常に限られています。生産されるワインはとても濃厚でクリーンな香りを持っており、複雑で凝縮感があり、絹のように滑らかな舌触りをしています。
ファーストのシャトー・スデュイローはオークの樽で24か月 (新樽30%)で熟成していますが、セカンドのカステルノー・ド・スデュイローは2年使用したオークの樽で10~12か月の熟成期間の為、よりフレッシュ感のあるソーテルヌに仕上がっています。

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