2017年1月今月のワイン 企画「ワインと郷土料理でフランス一周(5)」<ボルドー地方VSブルゴーニュ地方>

(1) Crémant de Bourgogne Blanc de Blancs Brut N.V.
●生産地ブルゴーニュ地方
●格付 AOC Crémant de Bourgogne
●生産者 BERTHNET
●品種 シャルドネ80% アリゴテ20%

(2)Le G de Château Guiraud 2014
●生産地 ボルドー地方
●格付 AOC Bordeaux Blanc sec
●生産者 Château Guiraud
●品種  ソーヴィニヨン・ブラン70%/セミヨン 30%

(3)Bourgogne  Chardonnay 2013
●生産地ブルゴーニュ地方
●格付 AOC Bourgogne
●生産者 Mongeard-Mugneret
●品種 シャルドネ100%

(4)Château Mont-Pérat 2004
●生産地ボルドー地方アントゥル・ドゥ・メール地区
●格付 AOC Cadillac Côtes de Bordeaux
●生産者 Despagne
●品種  メルロ80 % カベルネ・フラン10 %
カべルネ・ソーヴィニヨン10 %

(5)BEAUNE-GREVES 1er Cru 2011
●生産地ブルゴーニュ地方コート・ド・ボーヌ地区
●格付 AOC BEAUNE 1er Cru
●生産者 Domaine Jaques Prieur
●品種 ピノ・ノワール100%

(6)Château TALBOT 2013
●生産地ボルドー地方オーメドック地区サン・ジュリアン村
●格付 AOC SAINT-JULIEN
●生産者 Château TALBOT
●品種 カベルネ・ソーヴィニョン66%、メルロ26%、プティ・ヴェルド5%、カベルネ・フラン3%

今月の一押し

(5)BEAUNE-GREVES 1er Cru 2011
●生産地ブルゴーニュ地方コート・ド・ボーヌ地区
●格付 AOC BEAUNE 1er Cru
●生産者 Domaine Jaques Prieur
●品種 ピノ・ノワール100%
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●コメント
紫がかった濃い目のルビー。粘性は中程度より高め。香りにはブラックチェリーやラズベリー、イチジク、クラッシュしたバラのドライフラワー、ハーブ、オリエンタルなスパイスのノート。加えてスモーキーなオーク、木材、なめし革、タバコ、茸、紅茶の葉、土、ミネラルのニュアンスが複雑性を与える。アタックはソフトでなめらか。果実味は凝縮度が高くジューシーさとスモーキーさが一体となる辛口で、穏やかな酸味が調和。全体に丸みを帯びており、重く残らない膨らみ豊かなボリューム感で満たされます。たっぷりとした旨みがあり鮮度はもちろん、高貴で落ち着いた印象がイメージとして強く残ります。ミディアムからフルボディで、アフターにはキメ細かでしなやかなタンニンと、果実とオークのフレーバーが持続しています。合わせるお料理は牛や鴨肉のロースト、牛肉の赤ワイン煮、まぐろのタルタルソース和えなどがおすすめ。手摘みで収穫後、100%除梗。木の開放式発酵槽でマセラシオン。1日1回のピジャージュ。樽熟成は1.5~2年。
●ドメーヌ・ジャック・プリウールDomaine Jaques Prieur
ジャック・プリウールは18世紀末にムルソーに設立されたブルゴーニュ屈指の名門ドメーヌの1つ。 コート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌのグラン・クリュ、プルミエ・クリュを中心とした21haの畑を所有し、モンラッシェ、シャンベルタン、ミュジニーなどグラン・クリュを中心に、25ものアペラシオンを手掛けています。造られるワインは、複雑なアロマをもった芳醇でセクシーなスタイル。柔らかなテイストで、いつ開けても美味しく楽しめる親しみやすい味わいが、多くのブルゴーニュファンを魅了しています。
プリウールは、ブルゴーニュの錚々たる優良畑を持ちながら、ドメーヌは長い間低迷を続けていました。1988年より、メルキュレのネゴシアン「アントナン・ロデ社」が共同経営にあたり、ビオロジックを取り入れたワイン造りを行い、ドメーヌの評価をここ10年の間で一気に取り戻しました。
こうして完全復活を遂げたジャック・プリウールですが、この功績は醸造を担当している女性醸造家ナディーヌ・ギュブラン女史の感性と実力によるものと言われています。 ナディーヌ女史はフランスのワイン雑誌 “レヴュー・ド・ヴァン・ド・フランス”で1997年に女性初のベスト・ワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに輝いた実力者。ナディーヌ・ギュブラン女史が醸造チームに加わったことにより、ジャック・プリウールのワインは、テロワールの特徴を重視した、美しい色合いの素直で柔らかなテイストへシフトしています。
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栽培・醸造チームに共通するワイン造りの哲学は、「収量を落として最高に成熟した葡萄を使い、テロワールを反映したワインを造る」こと。 ナディーヌ女史は、「醸造家としては栽培から葡萄醸造まで全ての工程において、正確で丁寧に注意深く行うことが大切だが、私にとって一番大切なのは葡萄そのもの。如何に良い葡萄を手に入れるかがポイントであり、醸造そのものはクラシックで特に変わったことはありません」と語ります。
xx農業者向け 陰暦(Moon Calender)
2000年より、ジャック・プリウールのコート・ド・ボーヌの畑では、化学肥料や農薬を使用しないビオロジック(有機農法)が実施され、馬による耕作が行われています。 ナディーヌ女史は、化学肥料や農薬を使用しないのはもちろんのこと、最終的には農作業を月、惑星、星座の位置を記した「播種カレンダー」に基づいて行うビオディナミ(生命力学農法)への移行を目標としています。

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