Archive for the ‘今月のワイン’ Category

今月のワイン 2016年3月 「旧世界と新世界 Cabernet Sauvignon」

水曜日, 5月 25th, 2016

 (1)Chardonnay 2014
●生産地 フランス Langue D’Oc地方
●格付   I.G.P.  Pay D’Oc
●生産者 Vinus/Jean Claud Mas
●品種  Chardonnay 100%

 (2)Gran Reserva Cabernet Sauvignon  2013
●生産地 チリ マイポ峡谷地方
●格付   D.O. Valle del Maipo
●生産者 Viña TARAPACÁ
●品種  Cabernet Sauvignon 100%

(3)Private Selection Cabernet Sauvignon 2014
●生産地 カリフォルニア州セントラル・コースト
●格付  A.V.A.セントラル・コースト
●生産者 Robert Mondavi
●品種  Cabernet Sauvignon 75%

 (4)Château de Sainte Gemme 2009
●生産地フランス ボルドー地方オー・メドック地区
●格付   AOC Haut-Medoc  /Cru Bourgeois
●生産者 Domaine Bouteiller
●品種  CS 50% Merlot 50%

(5)Château Lanessan 1999
●生産地 フランス ボルドー地方オー・メドック地区
●格付 AOC Haut-Medoc /Crus Bouregeois
●生産者 Delbos Bouteiller
●品種  CS 60% Merlot 36% Petit Verdot 4%

(6)Château Lynch-Moussas 2011
●生産地 ボルドー地方オー・メドック地区ポイヤック村
●格付  AOC Pauillac
/Grand Cru Classé en 1855
●生産者 Château Lynch-Moussas
●品種  CS 78% Merlot 22%:2011 (75%/25%)

■今月の一押し■

(6)Château Lynch-Moussas 2011
●生産地 ボルドー地方オー・メドック地区ポイヤック村
●格付  AOC Pauillac
/Grand Cru Classé en 1855
●生産者 Château Lynch-Moussas
●品種  CS 78% Merlot 22%:2011 (75%/25%)

201603

●コメント
複雑性のあるふくよかな果実味のワインで、バランスもよくなめらか。アフターにも複雑さがありエレガントさも感じられる一本です。しなやかで、しっかりとしたストラクチャーが魅力。早くから楽しめるクラシカルなスタイルのポイヤック。
色合い:輝きのある暗いルビー色
香り:ブラックチェリーやカシス、ハーブ、スパイスやカカオの香り、湿った土や樽のニュアンスがあります。程々に素質のあるノーズにはスパイシーで、西洋杉のような、カシスの果実香があります。
味わい:良好な葡萄の完熟感や肉付きが見られるアタックはソフトで、こなれたタンニンと豊かな酸が溶け込み、ビロードのような滑らかな質感。ポイヤックらしい力強さ、というよりは、ピュアで雑味がない柔らかさが印象的。程良いタニックな余韻もエレガントでのびやかさがあり、心地のよいクラシカルなスタイルです。
ミレジム別アセンブラージュ比率
2009 CS 72%  Me 28%
2010 CS 76%  Me 24%
2011 CS 78%  Me 22%
2012 CS 79%  Me 21%
2013 CS 96%  Me  4%
2014 CS 79%  Me 21%
●シャトー・ランシュ・ムーサChâteau Lynch-Moussas
ポイヤック最大級の敷地を持つシャトー・ランシュ・ムーサは、シャトー・バタイエを所有するボルドーの名家、カステジャ家が1969年から所有するシャトーです。1855年のメドック格付け時には第5級にランクインするも、その後品質は伸び悩み長い低迷期に陥りました。しかし、カステジャ家がオーナーとなってからは、醸造所の改築や畑の改良などを積極的に行い、往年の名声を取り戻しつつあります。
格付け第五級のシャトー・ランシュ・バージュとは、元々1つのシャトーでした。分割され、新しく出来たのがランシュ・バージュ。本家ランシュ・ムーサより、ランシュ・バージュの評価の方が現時点では高いのですが、ランシュ・ムーサの1990年代初頭からの品質向上には大きく目を見張るものがあり、クラッシック・ボルドー回帰の潮流の中で、確実に評価を高めてきています。
ランシュ・ムーサの敷地は200haと広大でポイヤック最大級。五大シャトーなどの傑出したシャトーが集まるジロンド川沿いではなく、内陸部(ポイヤック村の西部)に位置します。

位置する場所はジロンド川沿いではなく、内陸部であるポイヤック村の西部です。
メドックの古い格言に「いい畑は川を見なくてはいけない」というのがありますが、それからするとシャトー・ランシュ・ムーサの畑はポテンシャルが低いのかもしれません。
実際に、砂礫が厚く、石灰岩、粘土質、泥灰質からなるジロンド川沿いの土壌に比べると、砂質の多い礫質で、排水の面でやや劣り、土壌のポテンシャルは下がります。
そのためかどうか、シャトー・ランシュ・ムーサのワインは軽く、往々にして水っぽいと言われてきましたが、それも1995年ごろからは徐々に改善されてきました。現在では適度な凝縮度と雑みのないすっきりとした味わいの、驚くほど良好なワインが生み出されています。

今月のワイン 2016年2月 「旧世界と新世界 Chardonnay」

水曜日, 5月 25th, 2016

(1) Cremant de Bourgogne Brut  Blanc de Blancs NV
●生産地 ブルゴーニュ地方コート・シャロネーズ地区
●格付け AOC Bourgogne
●生産者 Berthenet
●品種 シャルドネ80%、アリゴテ20%

(2) William Hardy Chardonnay 2012
●生産地 オーストラリア 南オーストラリア州
●格付け
●生産者 Hardys
●品種 シャルドネ100%

(3) BERINGER NAPA VALLEY CHARDONNAY 2013
●生産地 アメリカ・カリフォルニア州ナパ・ヴァレー
●格付け
●生産者 Beringer
●品種 シャルドネ100%

(4) Le Bourgogne Chardonnay 2014
●生産地 ブルゴーニュ地方コート・ドール地区
●格付け AOC Bourgogne
●生産者 Chanson
●品種 シャルドネ100%

(5) Chanson Meursault 2013 
●生産地 ブルゴーニュ地方
●格付け AOC Meursault
●生産者 Chanson
●品種 シャルドネ100%

(6)Bourgogne Pinot Noir 2012
●生産地 ブルゴーニュ地方
●格付け AOC Bourgogne
●生産者 Dom.Anne Francoise Gros
●品種 Pinot Noir 100%

■今月の一押し■

(4) Le Bourgogne Chardonnay 2014
●生産地 ブルゴーニュ地方コート・ドール地区
●格付け AOC Bourgogne
●生産者 Chanson
●品種 シャルドネ100%
201602
●コメント
エメラルドのようなきらめきが加わる緑ががった淡い黄色、または輝きのあるレモンイエロー。豊かで、しかも絶妙なミネラルによって際立つアーモンドの香りの中に花の香りが感じられます。白い花の蜜のような香りに加えて、ハーブなどの香りや爽快さがあります。
味わいは、トロピカルな果物の酸味と共に白桃や洋梨、花の蜜やハチミツのようにしっかりとした凝縮感。フレッシュ感が強く、ストラクチャーがあり、ボディをしっかり感じます。バランスのよい魅力的なワインです。口中でも白い花のアロマが感じられ、フレッシュさのあふれるフィニッシュです。
●Chansonシャンソン
ブルゴーニュで産出されるワインを、フランス国内やヨーロッパに販売していたシモン・ヴェリーが1750年にシャンソンを設立。ボーヌでも1、2を争う歴史あるメゾンとされています。1847年から1999年まではシャンソン家が経営を担ってきましたが、1999年、シャンパン・メーカーのボランジェ・グループがこのメゾンを買収し、以来、畑やカーヴに大きな投資が行われてきました。シャンソンは、ボーヌ、サヴィニー・レ・ボーヌ、ペルナン・ヴェルジュレス、コルトンの丘陵地にグラン・クリュとプルミエ・クリュ、合わせて38haの畑を所有しており、その中には、プルミエ・クリュの“クロ・デ・ムーシュ”(4.5ha)や、モノポールの“クロ・デ・フェーヴ”(3.8ha)、グラン・クリュの“コルトン・ヴェルジェンヌ”(0.60ha)が含まれています。こうした自社畑から収穫される葡萄で造られる「ドメーヌ・ワイン」以外にも、シャンソンが求める水準に達する葡萄を厳選した栽培農家から買い取り、それぞれのテロワールをあますところなく表現した、幅広いアペラシオンのワインを生産しています。
シャンソンの白ワイン
コート・ドール地区の白ワインは、全て自社の設備で醸造しています。シャルドネ種の葡萄の圧搾は、除梗しないまま、ゆっくり丁寧に行われます。葡萄果汁がワインに変わる過程は、温度管理も含め、しっかりとコントロールされているため、シャンソンの白ワインのピュアさときめ細やかさの中に、アロマティックな果実の香りが余すことなく現れます。マロラクティック発酵と熟成はオーク樽で行います。約6ヶ月間、週に一度バトナージュを行う。これはオリを浮遊させ、ワインのアロマのポテンシャルを高め、コクを出すためです。
葡萄畑での標準を出来るだけ高いレベルに引き上げるために、シャンソンではその経験とノウハウを栽培農家と分かちあっています。そして、ドメーヌ・シャンソン(シャンソンの自社畑)では、はっきりとした哲学が実践されています。土壌の耕作を基本とし、葡萄の質の保全に焦点が絞られてるため、収量の上限を赤ワイン40hl/ha、白ワイン45hl/haに定めています。

土壌
シャンソンには土壌の質へのこだわりがあり、畑は微生物の活動を視野に入れた方法で耕作されます。 土壌はそれぞれの構成物の特性に気をつけて丁寧に耕作しなければなりません。
シャンソンの畑は、鋤で耕さねばならない大切な財産であり、トラクターで入らず、馬を使用しています。畑(土壌と葡萄樹)の状態を毎日チェック。樹齢や収量といった、それぞれの葡萄樹の持つ特性によって、必要な異なる手入れを行っています。
畑では、収量をコントロールし、凝縮した葡萄を収穫することが最終的な目的ですので、それぞれの樹に適した剪定や摘芽が行われます。シャンソンのワイン造りの一年で、最も重要なのが収穫です。果実のバランスと成熟度がワイン造りに適切であると判断されない限り、収穫は始まりません。一たび収穫開始が始まると、100人からの収穫隊が、丁寧に手で葡萄を採取します。小カゴに入れられた葡萄は直接選果台に運ばれ、10名を越える作業人がどの葡萄を使うかの最終的な決断で選果され、ジュースが作られます。

今月のワイン 2016年1月 「旧世界と新世界 Pinot Noir」

水曜日, 5月 25th, 2016

(1)Cremant de Bourgogne
Extra Brut Blanc de Noirs
●生産地 ブルゴーニュ地方
●格付け AOC Cremant de Bourgogne
●生産者 Frederic Magnien
●品種 Pinot Noir 100%

 (2)Bourgogne Chardonnay 2011
●生産地 ブルゴーニュ地方
●格付け AOC Bourgogne
●生産者 Dm. Michel Picard
●品種 Chardonnay 100%

(3)Pinot Noir 2013
●生産地オーストラリア/ヴィクトリア州/ヤラ・ヴァレー
●格付け なし
●生産者 Dm. Coldstream Hills
●品種 Pinot Noir 100%

(4)Pinot Noir 2009
●生産地 ニュージーランド マールボロ地方
●格付け なし
●生産者 Cloudy Bay
●品種 Pinot Noir 100%

(5)Bourgogne Pinot Noir 2008
●生産地 ブルゴーニュ地方サントーバン村
●格付け AOC Bourgogne
●生産者 Domaine Roux Pere & Fils
●品種 Pinot Noir 100%

(6)Savigny-les-Beaune 2000
●生産地 ブルゴーニュ地方サヴィニ・レ・ボーヌ村
●格付け AOC Savigny-les-Beaune
●生産者 Domaine Remoissenet Pere & Fils
●品種 Pinot Noir 100%

■今月の一押し■

(3)Pinot Noir 2013
●生産地オーストラリア/ヴィクトリア州/ヤラ・ヴァレー
●格付け なし
●生産者 Dm. Coldstream Hills
●品種 Pinot Noir 100%
201601
●コメント
外観は透明感のあるルビー、ほどほどの粘性。明るい甘露な果実味のあるキュートなピノ・ノワール。
香りとしては、凝縮感がありながら、とても焼きたてのトースト香水と共にキャンディ香があるピノ・ノワール。瑞々しい蜜の様な甘露さが感じられます。そのほか、アメリカンチェリーやラズベリーの様な溌剌とし、甘露な果実香、焼いたトースト、ミルクのアロマ。クローヴ、華やかなスミレや紅茶。燻製肉の香り。比較的樽がしっかりと感じられるのが特徴です。
味わいも極めてフルーティかつ華やか。他のオーストラリアのピノ・ノワール・ワインと比べると酸味は柔らかく感じられます。タンニンもきめ細かく、華やかな赤系果実やトースト、スミレのアフターが残ります。
インポーターコメント:「綺麗なルビーの色調。チェリーやブルーベリーのような凝縮感のあるアロマ。スパイス系の個性的な香り。フレンチオーク樽由来のバニラのような香りが複雑な深みを与えています。味わいは、豊かな酸味とシルキーなタンニンがバランスよくまとまり、ブルーベリーのような風味と涼しげな印象。長い余韻と上品なレベルのスパイシーな後味が特徴の、エレガントなスタイルの赤ワインです。」
●Coldstream Hills
元弁護士だったジェームス&スーザン・ハリデイ夫妻により1985年設立。メルボルン郊外にある標高差が大きく、丘陵の斜面に葡萄園があるヤラヴァレーに位置しています。 冷涼な気候は、平均気温がボルドーより涼しく、ブルゴーニュよりやや暖かめです。1996年、サウスコープワインズの所有となり(現在はフォスターズ・ワイ ン:オーストラリア最大のビール・メーカーの子会社)、創始者のジェームス・ハリデイは経営を離れ著名なワインライターとして活躍していますが、今でもジェームス・ハリデイは、アンドリュー・フレミングを中心としたワイン・メイキング・チームにコミットして、より高品質なワインを造り続けています。
チーフ・ワインメーカーのアンドリュー・フレミング氏。なんと13歳のときからワイン作りに携わり、フランス、アメリカ、オーストラリアでワイン醸造を学びました。ボルドー大学でワイン醸造学のディプロマも取得した努力家です。2001年から Coldstream Hills のチーフ・ワインメーカーとして数々の非常に名誉ある賞を獲得しています。
コールドストリーム・ヒルズのワインは、この地区のキャラクターやスタイルなどを強く反映しています。ヤラ・ヴァレーの北部と南部にある収穫量をコントロールした葡萄畑で厳選された全ての葡萄は手摘みで収穫され、醸造所に運ばれます。このワインは全房を使用する事も含め醸造等、様々な技術を駆使し造られています。フレンチオーク樽(30% 新樽)で9ヵ月間熟成されています。
オーストラリアの最大手航空会社、カンタス航空は、世界を飛び回る舌の肥えたVIPを満足させるため、オーストラリア全土から選りすぐったワインを機内で提供していますが、このワインはそのうちの筆頭でもあり、シドニー・東京間のビジネス・クラスでも、すぐに無くなってしまう人気ワインです。また、空港ファースト・クラス・ラウンジでも提供されています。