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ワインと郷土料理でフランス一周 始まっています

月曜日, 10月 10th, 2016

毎年、みなさまにご好評をいただいております企画「ワインでフランス一周」ですが、今年はパワーアップして登場。題して「ワインと郷土料理でフランス一周」です。
ワインと言うのは元々は土着の飲み物。飲みごろに、その土地の気候のもとで、その土地のお料理とともに頂くのが一番です。今年はそれに少しでも近づけようと、谷シェフにご努力頂き銘醸地それぞれの郷土料理をワインに合わせて、お出ししております。例えば第二回の「ボルドー地方」では、フォアグラのテリーヌ、蝦夷鹿肉のボードレイ・ソース(写真)などをお出しいたしました。第一回の地中海の銘醸地の際は、勿論ブイヤベース。私は、ワイン昼食会の最中は、お食事は頂きませんが、みなさんが召し上がっているお料理の香りだけでも、ワインとの相性を確かめることが出来ました。
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このシリーズ企画「ワインと郷土料理でフランス一周」のラインナップは、
11月 アルザス地方 終了いたしました
12月 ブルゴーニュ地方 募集中です 残席僅か
1月  ボルドー地方vsブルゴーニュ地方 募集開始しております
2月  ロワール河渓谷とローヌ河渓谷  12月初旬募集開始
と続きます。

12月は、担当ソムリエの自宅セラーを再度漁りながら、良いワインをお出ししようと思っています。さらに、年末恒例のクリスマス・プレゼント争奪、総当たりジャンケン大会も行います。お楽しみに。
ご予約、ご質問などは、メール・アドレスdegustation(アットマーク)nifty.com宛てお願い致します。
(アットマーク)には@を入れてください。

今月のワイン 2016年10月「ワインと郷土料理でフランス一周(2)ボルドー地方」

土曜日, 10月 8th, 2016

(1) Lateyron Crémant de Bordeaux Brut N.V.
●生産地 ボルドー地方アントル・ドゥ・メール地区
●格付け  AOC  Crémant de Bordeaux
●生産者 Lateyron
●品種 セミヨン85%カベルネ・フラン8%
カベルネ・ソーヴィニヨン7%

(2) Castelnau de Suduiraut 2009
●生産地 ボルドー地方ソーテルヌ地区
●格付け  AOC  Sauternes
●生産者 Château Suduiraut
●品種 セミヨン90% ソーヴィニョン・ブラン10%

(3) Ch.Graville-Lacoste Blanc 2015
●生産地 ボルドー地方ソーテルヌ地区バルザック村
●格付け  AOC  Graves
●生産者 Château Roumieu Lacoste
●品種 セミヨン70% ソーヴォニョン・ブラ25%
ミュスカデル5%

(4) Château Franc Petit Figeac 2012
●生産地 ボルドー地方サンテミリオン村
●格付け  AOC  Saint-Ėmilion
●生産者 Château Franc Petit Figeac
●品種 メルロ90% カベルネ・フラン10%

(5)Château Beaumont 2013
●生産地 ボルドー地方オー・メドック地区
●格付  AOC Haut-Medoc  Cru Bourgeois
●生産者 Château Beaumont
●品種  カベルネ・ソーヴィニョン54%
メルロ42% プティ・ベルドー 4%

(6) Les Fief de Lagrange 2008
●生産地 オー・メドック地区サン・ジュリアン村
●格付け  AOC Saint Julien
●生産者  Château Lagrange
●品種 カベルネ・ソーヴィニヨン 60%、
メルロ 31%、プティ・ヴェルド 9%

今月の一押し

(2) Castelnau de Suduiraut 2009
●生産地 ボルドー地方ソーテルヌ地区
●格付け  AOC  Sauternes
●生産者 Château Suduiraut
●品種 セミヨン90% ソーヴィニョン・ブラン10%
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●コメント
ソーテルヌ第1級CHスデュイローのセカンド。巧妙な調和が生みだす独自の世界観が楽しめます。ゴージャスなまでにリッチで、ふくよかな、凝縮感のあるワインと言えます。濃くしっかりとした黄金色。グラスを傾けると、オレンジ、モモ、洋梨、リンゴなどの果実の香りが押し寄せてきます。また、強烈な、スパイシーなノーズはほとんど焦げた桃と混ざり合ったブラウンバター、アーモンドペースト、カラメルを思わせます。味わいは、極めてフルボディで、厚みがあり、とろけるような極甘で、蜂蜜やリンゴ、レモンのニュアンスがあふれています。
▼ミレジム2009へのコメント  「この2009年は、間違いなくこのシャトー創立以来最良のワインと言えます。マルメロ、蜂蜜、桃そして最上級のバターの香りが心をつかんで離しません。空気に交じると、黄色い花の香りが経ってきて得も言われぬニュアンスを感じます。味わいは非常に端正な酸味と押し寄せるほどの、尚且つ上品な甘味が完全なるバランスを取っていると言えるでしょう。フィニッシュは、このたくさんの素晴らしい酸味に裏打ちされた貴腐ワイン独特の新鮮な蜂蜜、マルロメ、オレンジなどであふれます。このワインは、抵抗できないほどの完全さと平静さの完璧なニュアンスを持っていると言えます。」(Neal Martin “Wine Advocate” Feb 2012)
●シャトー・スデュイロー Château Suduiraut
16世紀まで、この土地はアラール家~d’Allardが所有しており「ドメーヌ・ダラール」と呼ばれていました。 1580年、ニコラ・ダラール嬢~Nicole d’Allardが、レオナール・ド・スデュイロー~Leonard de Suduirautと結婚し、持参金としてスデュイローにもたらされます。現在の館は、レオナールの孫であるブレーゼ・ド・スデュイロー~Blaise de Suduirautによって1670年頃に建てられたようです。
その後、シャトーは彼の娘であったマリー・アンヌ~Marie Anneが引き継ぎ、1747年に彼女の甥のジョセフ・デュロワ~Joseph du Roy、彼の死後はジャン・デュロワ~Jean du Royが相続しますが、同人に相続人がいなかったため1780年に執事であったルイ・ギヨーム・デュロワ~Louis Guillaume du Roy が棚ボタで取得します。この執事はやり手であったようで、シャトーに隣接するカステルノー~Castelnauの畑を取得し、現在のセカンド、カステルノー・ド・スデュイロー(本日のワイン)の由来ともなっています。 1940年にレオポルド・フランソワ・フォンケルニー~Leopold Francois Fonquernieに売却されます。レオポルドの死亡により彼の娘から1992年、アクサ保険の子会社であるアクサ・ミレジムが購入します。
ソーテルヌ地区で最も知名度の高いシャトー・ディケム(ただ1つの特級シャトー)に次いで、高い評価を受けているのがシャトー・スデュイローです。1992年、アクサ・グループに買収されてから、より一層、潜在能力が引き出され品質を上げてきています。その畑はディケムと隣接しており、広大で美しいシャトーには、ベルサイユ宮殿の庭園と同じ設計者の手によるフランス庭園との事。200ヘクタールの広大な面積のうち90ヘクタールを葡萄畑として所有しています。そこでは平均樹齢25年を超えるセミヨン(90%)、ソーヴィニヨン・ブラン(10%)が栽培されており、周りは森林で囲まれている為、貴腐の発生に理想的な環境ではありますが必ずしも貴腐に覆われるとは限らないので生産量は非常に限られています。生産されるワインはとても濃厚でクリーンな香りを持っており、複雑で凝縮感があり、絹のように滑らかな舌触りをしています。
ファーストのシャトー・スデュイローはオークの樽で24か月 (新樽30%)で熟成していますが、セカンドのカステルノー・ド・スデュイローは2年使用したオークの樽で10~12か月の熟成期間の為、よりフレッシュ感のあるソーテルヌに仕上がっています。

今月のワイン 2016年9月「ワインと郷土料理でフランス一周(1)地中海沿岸」

土曜日, 10月 8th, 2016

(1) Ch. de Vingtoneres Rosé 2014
●生産地 プロヴァンス地方
●格付け  AOC  Cotes de Provence
●生産者 Domaine Patrice Moreux
●品種サンソー50%グルナッシュ40%シラー10%

(2) Vinus Chardonnay 2015
●生産地 ラングドック地方
●格付け  Vins de Pays D’Oc
●生産者 Domaine Mas
●品種  シャルドネ100%

(3)Bourgogne Chardonnay 2011
●生産地 ブルゴーニュ地方
●格付け AOC Bourgogne
●生産者 Dm. Michel Picard
●品種 Chardonnay 100%

(4)CASSIS 2015
●生産地 プロヴァンス地方
●格付け AOC Casis
●生産者 Domaine du Bagnol
●品種 マルサンヌ30% クレレット30% ソーヴィニヨン・ブラン30%他

(5)La 50/50 2012
●生産地 ラングドック地方ミネルヴォア地区
●格付け Vin de Table
●生産者 Dm. Anne Gros &J.P.Tallot
●品種 カリニャン、サンソー、グルナッシュ

(6)Château Montus 2011
●生産地 南西地方メディ・ピレネ地区マディラン村
●格付け AOC
●生産者 Domaine Alain Brumont
●品種 タナ80%、カベルネ・ソーヴィニヨン20%

今月の一押し

(3)Bourgogne Chardonnay 2011
●生産地 ブルゴーニュ地方
●格付け AOC Bourgogne
●生産者 Dm. Michel Picard
●品種 Chardonnay 100%
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●コメント
フレッシュ感と綺麗な酸味で飲み飽きない美味しさが楽しめます。柑橘系やリンゴのような豊かな果実味と、控えめな樽香が見事にバランス。 適度なコクが楽しめ、爽やかな酸味がすがすがしい上品なシャルドネの滑らかな喉越しのワインです。
コート・ド・ボーヌ(20%)とシャロネーズ(50%)とヨンヌ(シャブリ)地区(30%)のシャルドネ種を収穫後ステンレスタンクで発酵させ、小樽(228リットル)で8ヶ月熟成。
良く冷やしてアペリティフに、シーフード、甲殻類、白身魚のムニエル、お寿司などに合わせて。
●Domaine Michel Picard
ミッシェル・ピカールはフランス・ブルゴーニュのドメーヌ所有者として、またネゴシアン・エレヴェール(葡萄やワインを買って育てる酒商)として第一級の評価を受けるメーカーです。
コート・ド・ボーヌのシャトー・ド・シャサーニュ・モンラッシェに本拠を置き、ブルゴーニュ各地に合計135haの自社葡萄園を所有する生産者であり、ドメーヌしての規模はブルゴーニュのベスト3に数えられます。 取り扱い内容はブルゴーニュ全体に及び、ミッシェル・ピカールの商標でフランス国内は元より世界の市場に送り出しています。また、オスピス・ド・ボーヌの最大手落札者としても有名です。
●シャトー・ド・シャサーニュ・モンラッシェ
シャサーニュ・モンラッシェ村の入口にあるこのシャトーは、14世紀からの歴史あるものですが、現在は大手ネゴシアンとして知られるミシェル・ピカールの本拠地となっています。ミシェル・ピカールは、コート・ド・ボーヌとコート・シャロネーズに135ヘクタールの畑を持ち、6つのワイナリーを営んでいます。シャトー・ド・シャサーニュ・モンラッシェはそのひとつで、クオリティ志向のワイン造りを進めるミシェル・ピカールのフラッグシップ・ワイナリーの位置付けとなっています。どんなことでも新しい試みには、それなりの資金が必要になるものですが、ワインの世界でも、常に資金力のあるところが参入して、新陳代謝が行われてきました。そういう意味では、こうしたネゴシアン大手が、トップエンドのワイン造りを行うために投資するのは歓迎すべきことに違いないでしょう。いずれ、シャサーニュ・モンラッシェの代表的な生産者となりますと思われます。
●シャサーニュ・モンラッシェ
Côte de Beaune 地区の南にある Chassagne-
Montrachet は、辛口白ワインのなかで揺るぎない立場を Puligny-Montrachet と分かち合っています。中でもモンラッシェ畑は神格化されています。素晴らしい畑が、広く美しい斜面にブルゴーニュを代表する2大品種の Pinot Noir と Chardonnay が terroirs の複雑性を考慮され並んでいて、その真価を発揮しています。大理石の大きな石切り場があり、パリのトロカデロ、最近ではルーヴルのピラミッドに、ここのピンクとベージュの大理石が使われました。AOC の認定は1937年。標高 220~325mの斜面に広があります テロワールterroirs は頂上から、ローラシアンの絶壁、ジュラ紀カロビアンの急斜面、アルゴヴィアン泥灰土、ジュラ紀バトニアンの石灰質などと複雑な様相を呈しています。 Climatsによって、ジュラ紀地層の石灰質、砂利質、泥灰質、より砂質と多様です。

今月のワイン 2016年8月「フランスの白ワイン(2)」

土曜日, 10月 8th, 2016

(1)Picpoul de Pinet 2014
●生産地 ラングドック地方
●格付け  AOC Picpoul de Pinet
●生産者 Domaine Azan
●品種 ピクプール100%

(2)Muscadet Sèvre et Maine
Sur Lie Vieilles Vignes 2014
●生産地:ロワール地方ナント地区
●格付け:AOC Muscadet Sèvre et Maine
●生産者:Domaine Martin
●品種:ミュスカデ 100%

(3)Pouilly Fume 2014
●生産地 フランスロワール地方セントラル地区
●格付 AOC Pouilly Fume
●生産者 Domaine Tabordet
●品種 ソーヴィニョン・ブラン100%

(4)Viognier 2014
●生産地 ローヌ渓谷地方
●格付け vin de France
●生産者 Nicolas Perrin
●品種  ヴィオニエ100%

(5)Château Simard 1996
●生産地 ボルドー地方サンテミリオン地区
●格付 AOC Saint-Emilion
●生産者 Château Simard/ ALAIN VAUTHIER
●品種 品種:メルロー80%、カベルネ・フラン20%

(6)Sauternes Heritage 1864 2013
●生産地 Bordeaux地方Sauterne地区
●格付け AOC Sauterne
●生産者 Delor/CVBG-DOURTHE-KRESSMANN
●品種 セミヨン70%、ソーヴィニヨン25%、
ミュスカデル5%

今月の一押しワイン

(5)Château Simard 1996
●生産地 ボルドー地方サンテミリオン地区
●格付 AOC Saint-Emilion
●生産者 Château Simard/ ALAIN VAUTHIER
●品種 品種:メルロー80%、カベルネ・フラン20%
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●コメント
オーゾンヌの支配人、アラン・ヴォーティエALAIN VAUTHIERが所有するシャトー。葡萄の栽培から醸造まで、全てオーゾンヌ同様の哲学の下行われています。醗酵・熟成には、共に温度変化が非常に少ないコンクリート・タンクを使用、樽は一切使用しないという拘り様です。
色:基本的にガーネット色ですが、既に熟成が進んでいるためオレンジ色が混じります。ディスクの端は結構透ける為、それほど濃い感じはありません。脚はゆっくり。
香り:開けた瞬間から芳醇な甘い香りが漂い、深い黒系果実の香りが感じられます。それにバニラの様な甘い芳香が香ります。
味:しっかりとした果実味と、熟成による酸味、渋み、まろみが溶け合っていて複雑味と深さを味わえます。果実味のパワー、ミネラルの強いニュアンスがあります。
●コメント 1996
コンディションがパーフェクトに管理されたセラーでゆっくり熟成され、ワイン特有のとても綺麗に熟成した香りと味わい。とてもピュアーな果実味を感じる。きれいな酸味も特徴的。
●一般的なコメント
上からのぞくと、床が茶色いからではなく、熟成の兆しが見え始めた茶色も感じる(1996)。香りは完熟した赤い果実、ベリーやチェリーのアロマに、カシスなどの黒色系果実の香りも感じ、そのあとにスパイス香などが加わる複雑な構成になっている。タンニンはしっかりと感じるがきめが細かく、土壌の恩恵からか、ミネラル感が心地よい。色から想像できるように、上品な酸がリードする非常に綺麗なワインで、右岸の現代的なマッタリな感じのワインとは違いクラッシックなスタイル。
●シャトー・シマール Château Simard
シャトー・シマールの起源は16世紀に遡り,当時サンテミリオンの貴族によって所有されていました。その後,シャトーはClaude MAZIEREクロード・マジエールが買収。1954年からはヴォーティエ家とマジエール家による共同所有となっていましたが、現在は、ヴォーティエ家の所有となり、シャトー・オーゾンヌのオーナー兼支配人であるアラン・ヴォーティエがこのシャトーの支配人を務めており、アランの娘ポーリーヌが醸造責任者の地位についています。しばらく前までは、マジエール家の意向で,シャトー・シマールの輸出はアメリカのみでした。シャトーはサンテミリオンの南部に位置するシャトーで、砂混じりの小石土壌の畑のテロワールと醸造に使われる葡萄の厳格な選別に由来するフィネスとしなやかさを兼ね備えたクラシックなスタイルが高く評価されています。  複雑でありながら,柔軟でバランスが取れたワインです。ワインは,温度管理機能付きのステンレスタンクとコンクリート・タンクで発酵。発酵収量後,12~15日間の果皮浸漬を行い,その後,樽に移しマロラクティック発酵と18ヶ月の熟成。ワインはグリルした赤身肉にピッタリです。仔羊や鴨,ジビエ料理にも良く合います。また,リゾットのような複数の食材を組み合わせた料理と合わせても良いでしょう。